シャトー・ムートン・ロートシルト について
1855年に制定されたメドック格付けの中で、唯一その格付けに変化をもたらしたのが、他でもない、このシャトー・ムートン・ロートシルトです。制定当初、ムートンは第2級に格付けされました。そこから118年後の1973年、4世代の交代を経て努力の末に見事第1級の座に登り詰めたのです。『われ一級になりぬ、かつて二級なりき、されどムートンは昔も今も変わらず』という言葉は、昇格当時、フィリップ男爵が残した言葉として今もなお語り継がれています。
シャトー・ムートン・ロートシルトと言えば、だれもがその象徴となっているアートラベルを思い浮かべることでしょう。毎年変わりコレクターにも愛されるムートンのエチケットの始まりは、シャトー元詰めが始まった1924年に遡ります。長い歴史の中で、フランス国内はもちろん国外からも、ミロやピカソ、シャガールといった著名な芸術家たちのアートをラベルに施すなど、世界中の著名人とタッグを組み、その歴史に残していきました。
また、ムートンは自らのシャトーのワインの品質向上や革新にとどまらず、その活躍の場を世界にも広げていきます。カリフォルニアに進出してロバート・モンダヴィ氏とタッグを組んだオーパス・ワンや、1997年にチリのコンチャ・イ・トロと手を取り生み出したアルマヴィヴァはその大きな功績の一端を担っていると言えるでしょう。
シャトー・ムートン・ロートシルト2006 の特徴・評価
ロンドンでムートン・ロートシルトの垂直(同一シャトーの別ヴィンテージ)テイスティングをした中のひとつである2006 年のムートン・ロートシルトは、偉大なヴィンテージで生まれた 2005 年を超越する必要があるという意味で、まさにワインメーカーのフィリップ・ダルアン氏の名を世に知らしめたワインでした。 それは依然として成長過程であり傑出したワインの1つであり、実際にはちょうど1週間前の1月に以前のテイスティングを記しています。その時の予想通り、香りはブラックベリー、グラファイトの非常に鮮やかな輪郭を持ち、ここではほぼ冷たい石板のような香りです。 味わいは、慎重に判断された酸、きめの細かいタンニン、そしてフィニッシュの非常に詳細な味わいと調和しています。 最近のボトルを見ると、数年間は閉ざされたままの状態の可能性があると思われ、その場合には、開けてから数か月間これを楽しむか、数年間地下室に保管して、将来的に素晴らしいワインを味わうかの二択になるでしょう。
ワイン・アドヴォケイト:96点
飲み頃:2023 - 2055
最終試飲日:2017/2/1
シャトー・ムートン・ロートシルト2006 のテイスティング・ノート
チェリーレッドの美しい外観。濃さと暗さが備わっています。カベルネ・ソーヴィニヨンを主要品種とし、シャトー・ムートン・ロスチャイルドのアッサンブラージュでは、複雑かつ濃厚なアロマパレットが特徴的。ブルーベリーを思わせる果実のノートとミルクっぽさのあるアロマが交じり合います。
程よい樽香からくる焦焙系のほのかな香りが加わり、黄タバコ、お香、煎ったヘーゼルナッツのアロマが感じられます。アタックには精度の高さと調和が備わり、噛みごたえのある風味豊かなタンニンへと続き、口いっぱいに広がる風味、クリームのようななめらかさとともに勢いがあります。
シャトー・ムートン・ロートシルト2006 のラベル情報
2006年のラベルはラベルは英国の肖像画家ルシアン・フロイド作。彼の名声を高めることとなった、苦悩に満ちた肖像画や裸体画とは距離を置き、ワインを飲む悦びをトロピカルな雰囲気へと楽しく転換した作品。ブドウの樹は勢いよく育ったヤシの木に。ワイン愛好家は食道楽な表情をしたシマウマとして描かれています。
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