ワイン・アドヴォケイト&ジェームス・サックリング 共に100点満点の超高評価ヴィンテージ!
シャトー・ムートン・ロートシルト について
1855年に制定されたメドック格付けの中で、唯一その格付けに変化をもたらしたのが、他でもない、このシャトー・ムートン・ロートシルトです。制定当初、ムートンは第2級に格付けされました。そこから118年後の1973年、4世代の交代を経て努力の末に見事第1級の座に登り詰めたのです。『われ一級になりぬ、かつて二級なりき、されどムートンは昔も今も変わらず』という言葉は、昇格当時、フィリップ男爵が残した言葉として今もなお語り継がれています。
シャトー・ムートン・ロートシルトと言えば、だれもがその象徴となっているアートラベルを思い浮かべることでしょう。毎年変わりコレクターにも愛されるムートンのエチケットの始まりは、シャトー元詰めが始まった1924年に遡ります。長い歴史の中で、フランス国内はもちろん国外からも、ミロやピカソ、シャガールといった著名な芸術家たちのアートをラベルに施すなど、世界中の著名人とタッグを組み、その歴史に残していきました。
また、ムートンは自らのシャトーのワインの品質向上や革新にとどまらず、その活躍の場を世界にも広げていきます。カリフォルニアに進出してロバート・モンダヴィ氏とタッグを組んだオーパス・ワンや、1997年にチリのコンチャ・イ・トロと手を取り生み出したアルマヴィヴァはその大きな功績の一端を担っていると言えるでしょう。
シャトー・ムートン・ロートシルト2020年 の特徴・評価
2020年のムートン・ロートシルトは印象的なワインであり、グラスに上陸するとすぐに購入しなかったことを後悔しました。ミントカシス、鉛筆の削りくず、ローム質の土、シガーラッパー、エスプレッソロースト、スミレの複雑なアロマを提供し、ミディアムからフルボディで、幅広で層状で、素晴らしい濃縮された美しく洗練されたタンニンと長く浸透するフィニッシュを備えています。12.8%のアルコールでチェックインし、その初期の複雑さ、言いようのない完全さ、絶妙なバランスは、2018年、2019年、2020年のトリオの中で純粋主義者の選択としてそれをマークします。このヴィンテージでは、ブレンドに加わったロットは、ムートンの心を表すコアグラベルテロワールに限定されていたため、回る場所が少し少なくなっています。ムートンの新しいテクニカルディレクター、ジャン-エマニュエル・ダンジョイが監督した最初のヴィンテージであり、彼は飛躍的なスタートを切りました。
ワイン・アドヴォケイト:100点
飲み頃:2030 - 2070
最終試飲日:2023年4月7日-
シャトー・ムートン・ロートシルト2020 のテイスティング・ノート
外観は濃く鮮やかな赤チェリー色、ガーネット色の光沢。上品かつ複雑な香り。優れた熟度を感じさせる黒系果実のアロマが広がります。エアレーション後にはカシスやアニスを思わせる香りが立ち上がり、火打ち石やほのかに香るスギのニュアンスと交じり合っています。味わいに関して、アタックは甘美さと肉づきの良さが印象的。タンニンの仕上がりは非常に精巧で、メンソールっぽさやスモーキーさのある上品なニュアンスとともに美しい調和を奏でます。後味の余韻は極めて長く、ミネラル感や黒系ベリーのノートが広がり、シャトー・ムートン・ロスチャイルドに生まれるカベルネ・ソーヴィニヨン特有の風格を存分に漂わせています。
シャトー・ムートン・ロートシルト2020 のラベル情報
2020年ヴィンテージのラベル作品は、スコットランド出身のイギリス人アーティスト、ピーター・ドイグに依頼。同氏はロンドンとトリニダード・トバゴを拠点に活動を展開しています。今回の作品を制作するにあたり、ドイグはセザンヌとゴッホの作品からインスピレーションを得て、独自の魅惑的な夢の世界を描いています。ギターの音色が不思議な魔力を放ち、息を吹き込まれるかのように夜の闇の中に生まれるグラン・ヴァンをイメージ。
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