シャトー・マルゴー について
シャトー・マルゴーは、初めてボルドーで格付けが行われた1855年に、最高ランクにあたる第1級を獲得したシャトーのひとつです。そして第1級の中でもただ1つだけ、ジロンド県のテイスティングで最高得点にあたる20点満点を付与されたのも、このシャトー・マルゴーでした。シャトー・マルゴーは歴史上に多くその名を刻んでいます。18世紀にはルイ15世の愛妾デュ・バリー夫人が宮廷に持ち込んだことで瞬く間にその魅力を知れ渡したと言われ、その後の19世紀には文豪のヘミングウェイはマルゴーを愛して幾度となくシャトーに滞在、愛娘にその名を贈ったこともあまりに有名な歴史上の出来事として語られています。5大シャトーの中でも最も高貴でエレガントな女性的な味わいと言われるシャトー・マルゴーは、『ボルドーの女王』『ボルドーの宝石』などと称される程、世界中の人々に崇め愛されているのです。
シャトー・マルゴー2012 の特徴・評価
サウスウォルド(イギリス)でのブラインド・テイスティングされた2012年のシャトー・マルゴーは、純粋なブラックベリーとボイセンベリーの香り、グラスに注いで5分後に表面化するタバコの底流を伴う、張りのある直線的な鉛筆の芯が注入されたブーケを持っています。 味わいはミディアムボディで、上質なタンニン、さわやかな酸味、生命を肯定するバランス感覚があり、フィニッシュに向けてよく溶け込んだ新樽が感じられます。 ロバート・パーカー氏の、「このワインはより無骨で男性的なものだ」という意見には同意できますが、それでもこのワインには最初から最後まで血統があり、魅惑的なエフォートレスな感覚もあります。 故ポール・ポンタリエ氏をはじめとする彼のチームが造り上げた最高級のワインです。
ワイン・アドヴォケイト:96点
飲み頃:2022 - 2050
最終試飲日:2016/10/29
シャトー・マルゴー 2012 のテイスティング・ノート
2012年は、グレートヴィンテージの2010年とほぼ肩を並べると評価していいほど、パワフルで魅力を持った仕上がりです。ボルドーの優れたヴィンテージの典型的な気候条件となりましたが、一部の区画や若い樹齢のブドウはファーストに見合うような出来栄えとならず、厳しい選別が行われました。中でもカベルネ・ソーヴィニヨンは、パワフルな上に濃厚で肉付きが良く、素晴らしい品質となりました。
非常に濃厚で、黒色系果実やスパイス、花の複雑な香りが広がります。バランスが良く繊細で心地良い口当たりで、タンニンは濃密で存在感がありますが、シルクのような素晴らしいなめらかさで、豊かな果実味とバランスに秀でたヴィンテージです。
シャトー・マルゴー 2012 の気候状況
2012年の気候条件は非常に典型的なものでした。2月を中心に寒い冬の後にやってきた春は非常に湿度が高く、9月20日から雨が降り始める前の夏は非常に乾燥していました。7月15日からは非常に乾燥した日々が続き、暑さもそれほどではありませんでしたが、それでも数日間は猛暑日を経験しました。
このような気候条件は、ボルドーのクラシックな優れたミレジメの典型的なものです。これらの気候条件により成熟して濃厚なブドウが誕生するのです。
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